後見人、まだまだ

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後見人、まだまだ

2022/09/16

移行型任意後見契約

任意後見の知名度の低さ

先月24日に、任意後見契約を結んだ方、残念ですが31日に旅立ちました。慌ただしく探したホスピス25日に入院ができて、せめてもですが、26日に久しぶりにお風呂に入れて、喜んでいたそうです。私達が結んでいたのは任意後見契約です。任意後見契約は結んだ時点では後見人では有りません、任意後見受任者です。任意後見受任者と言うだけでは後見人では無いので、何も出来ません。そのために事務委任契約(財産管理事務委任契約)も結びます。出来る事は何か代理権目録に有る事ですから後見契約とほとんど同じことが出来ます、但し全て本人の承諾のもとにです、勝手な事は出来ません。一般的に後見契約は受益者が死んだ時点で後見人は役目を終わります。後見人に依っては身元保証と死後事務委任契約を結び付けて、後見人(ここでいう後見人は成年後見人)は死後事務は請け負いません。

私達は死後を大切と考え、一般的な移行型任意後見契約を結びます。死後事務委任契約もセットにして結びます。私達がかかわって居る方は殆どが独居、もしくは身内が居ても縁遠いと言う方です。死んで終わりでは有りません。この方は葬儀、納骨も請け負って居ます。

区役所で、死亡届を出しに行った時、窓口の女性がどうも理解していません。任意後見の登記事項証書を出せだの、正本を持って行って見せたのですが終いにはその正本を預かると言う始末。上司が出て来て事なきを得ましたが、もしこれが上司が居なければ火葬も出来ない状態です。第一、登記事項証明書には死後事務委任契約は登記されて居ません。死亡届の届出人の欄の後見人でも無く、保佐人、補助人、任意後見人のところでも無く、任意後見受任者のところにチェックが入って居ます。後見人も、任意後見人も保佐も補助も、任意後見受任者も全て違います。唯、任意後見受任者は殆ど理解されて居ないのが現実です。又、後見契約と死後事務は違うのに、その辺はあいまいに成っています。

後見制度はまだまだ理解されていません。後見ビジネス、その恐ろしさを語るマスコミも少ないです。役所の窓口も全くと言ってよいほど任意後見人、成年後見人、任意後見受任者の違いを理解していません。

私の将来に後見人が必要だと考えた時点で、結べる契約は任意後見しか無いのです、しかも契約を結んだ時点ではあくまで任意後見受任者と受益者の関係です。判断は自分でしなければ成りません、任意後見受任者はあなたにとって契約した家族に成っても判断はすべて受益者本人がしなければなりませんし、それで良いと思います。

任意後見契約、結んだ方の97%は任意後見が発動するまでにお亡くなりに成っています。つまり任意後見受任者のほとんどが後見人に成る前に後見契約は終わっているのです。

そう考えると後見契約は本当に必要なのかと考えてしまいます。高齢化社会、本人に代わって支払いや不動産の売却が出来る後見人より、本人と相談しながら本人の死を尊重する任意後見受任者が一番必要なのでは無いかと考えます。

2018年後見契約促進法が制定されましたが、その事で市町村申したてが出来るようになり後見契約は増えて来ています。家族からの後見申し立ては減っているのに、後見契約は増えて居ます。私たちは任意後見受任者こそが増えるべきと考えますが、後見人、保佐人、補助人で無い限りお金には成りません。その事で士業の方で積極的に任意後見を進める方は少ないです。士業の方のホームページを見てもほとんどが相続、後見契約ばかりで、任意後見に関する記述は殆ど在りません。

後見契約の恐ろしさ、夫婦で暮らしていて生活はご主人の年金がベースであと奥様の国民年金、後、株の配当とかで生活をしていて、ご主人が認知に成り後見人を付けようものなら、まずご主人の年金が後見人の管理に成り、株の配当も後見人の管理に成り、奥様は日々の生活費を後見人からもらわなければ成らなくなります。夫婦の財産も、後見人が入ってしまうと夫婦の財産では無くなってしまいます、少なくともご主人が亡くなるまで。

極端な例を挙げましたが、後は裁判所が認めれば株の売却もします、その事に依って報酬が偉るからです。必要と感じたら不動産も売ります、報酬が得られます、それが後見ビジネスです。株を売った、家を売った、その事で預り金が増えれば毎月の後見報酬も上がります。その報酬は預かり資産からに成ります。

 

高齢化社会です、後見契約と言う制度は本当に必要な制度です。だからこそもっと知っておいてもらいたいと思います。契約から、本人が死んでも、被後見人に会わない、会った事が無いと言う後見人が居ます。まぁ本人のライフスタイル、人生観とかは後見契約には必要の無い事なのかも知れませんが。

少なくとも、ケアマネ、役所の窓口、社会福祉士、社会福祉協議会の方はもう少し後見契約の事は慎重に考えるべきかと思います。今一番必要なのは、後見人では無い、任意後見受任者です。

 

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