終活の新しいコミュニティ
2024/08/20
お寺と言うコミュニティ広場
コンビニより数は多く
先日、10月17日に宝塚で行われる「地域包括ケアシステム推進に向けたミニシンポジウム」の講師の依頼が有り、事前打ち合わせが行われました。
今回は高齢者支援に於ける宗教者(浄土真宗本願寺派僧侶)としての立場で参加させて頂きます。私は身元保証に付いて少しお話をさせていただく時間を頂きますが、そこで話題に成ったのが、今後高齢者支援と、地域の連携と言う問題です。
介護に携わる者は本人の状態が一番解っているとは思うのですが、病院に行く必要が有った場合、あくまでも決定権は本人に有る訳です。病院に通っている場合、入院の必要が有っても決定するのは本人ですし(緊急でない場合)ましては身元保証人がいないと成れば入院さえまま成りません。施設入居も同じだと思います。
入院、入居と成った場合、本人の希望を聞いて、病院、施設と打ち合わせは出来ても、ケアマネやケースワーカーの立場で保証人は出来ません。まして金銭管理も皆さんが一番神経を使う所だと思います。遠縁でも親戚の方が居て、病院や行政とのやり取りをしてくれたなら、介護の現場はもう少し楽に成るのでは無いでしょうか。
そこで単に保証と言うだけでは無く、身元保証人の役目が大事に成って来ると思います。本人の意志を確認して本人の代わりに動く。併せて地域包括や、行政や、病院との連絡を取ってくれるそんな立場の方が居たらと考えます。何より本人の信頼を得て居ると言う事はとっても重要な問題です。
お寺さんと言うコミュニティ
そこで宝塚の社協の方々が目に付けたのがお寺さんの存在です。今回の勉強会でも、私が浄土真宗の僧侶で身元保証をしていると言う事で、その辺に解決の糸口が有るのでは無いかと考えたのでしょう。
確かに、お寺は歴史的に見ても地域に根差した日本独自のコミュニティです。江戸時代の寺請制度(檀家制度も、過去帳も)考えれば今の行政がやって居る住民管理のルーツとも言えます。当時はキリシタンを恐れた徳川幕府が始めた事ですが、お寺に出生地や誕生日を届ける、お寺で寺請証文を出してもらうなど、今のマイナンバーカードの走りとも考えられます。
その事でお寺さんが変に偉くなり、住民の反感を買うようになり、のちの明治政府の廃仏毀釈で、徹底的にお寺が叩かれたのもその辺にある様な気がします。ここでは歴史的解釈は置いておきます。
ただ、間違いなく半キリストでも、村にはお寺さんを中心とした非常に濃密な関係のコミュニティが、有った事は事実です。
今も地域ではお寺さんに対する信頼は絶大な所が有ります。単にお葬儀で、法事でお世話するだけでは無く、地域に根差しているところも有るのでしょう。
そんなお寺さんが、地域の独居の方のお世話をしたらどうかと言うのが、今回の議題にも上がりましたし、私個人的にも何年も前から注目して居る所です。
先代、先々代に始まったお付き合い 現代に成って、時代の流れで、お寺とのお付き合いは無くなったと言う話は良く聞きます。息子さんは街に出て、高齢者だけが残って居ると言う話もよく聞きます。そこで社協や地域包括がお世話をする訳ですが、そこにお寺さんが家庭の事情が有る程度解って居る状態で、身元保証をすればどんなに安心が得られるでしょう。
少なくとも、過去に会った事も無い、一般社団法人やNPO法人と結構な費用で身元保証契約を結ぶなら、そこにお寺さんが関わる事で得られる信頼は、比べ物に成らないと思います。
又、社協や地域包括にしても地域に根差しているお寺さんが高齢者に関わる事で、全く新しい地元にコミュニティが出来ると思います。
だからと言って、お寺さんが檀家さんの為だけでボランティアで動くのでは無く、ちゃんと身元保証契約を結ぶ事で、檀家さん以外の高齢者とも関わる事が出来ると思います。
現在、大分で活動しているお寺さんが有ります、今度10月に岡山のお寺さんが相談にお見えに成ります。
和讃の会には10年培ったノウハウが有ります、それらを全てお渡しするつもりです。費用は頂きません、遠方に出向かなければ成らない時、交通費は頂きます。
地域に昔から有るお寺さん、それぞれにお寺としての役割や思いは有るでしょうが、地域に住む高齢者の為に、決して儲かる仕事では有りませんが、身元保証を始めてみては如何でしょうか。法外な費用を請求されて困っている高齢者、相談したくてもどこに行けば良いか解らず困っている高齢者、これからどんどん増えて来ています。もう行政だけでは、民生委員さんやケアマネ、ヘルパーさんでは太刀打ちできない状態に有ります。
お寺を中心とした新しい、コミュニティ。きっと直ぐに必要とされると思います。