身元保証の問題点
2019/07/09
和讃の会では、身元保証だけの契約も有ります。
後見には至らない。しかし入居保証、入院に際して遠い親戚に頼むのは少し気が引ける。
身元保証だけ契約したいと言ってお付き合いさせて頂いて居る方が複数いらっしゃいます。
この度も市営住宅の保証人の件でご相談を受けました。
和讃の会と契約に成りますが、神戸市の場合、法人保証は出来ませんので、弊会の場合監事が個人保証をします。
しかしその方が、緊急入院しました、当然保証人ですから、病院に駆け付けます。
誤嚥性肺炎です。
保証人と言うだけで、先生から説明を受けます。
肺炎は今の医療では抗生物質の投与で比較的簡単に治ります、しかし誤嚥と言うのは、その原因によっては命の危険も有るそうです。
此の方はもともと嚥下力が弱いらしく、その原因によっては、胃瘻の必要性も有ると。
場合に依れば入院中、万が一の事が起こる可能性が有ると、延命治療はするのか否か。
保証人はなんの権利も有りません、たとえ後見人にといえども何も決められないのです。
先月旅立たれたSさん、何度と無くエンディングノートを書きました。少しでも思う事が有ると直ぐに呼び出されて、エンディングノートを書き直しました。
入院した際も、お医者さんにはっきり自らの口で延命治療に付いて話してくれましたし、若しもの事に付いては比較的はっきりと自分から決めて頂きました。
私たち和讃の会では、基本身元保証は入院、施設の入居、住宅の保証人にしか成りません。
保証だけという場合、親族さんの確認を取って説明納得して頂ければ、万が一の時に連絡が取れます。
まったく身元が居ないと云った場合、この辺は非常に難しい問題に成ります。
今回、問題は無かったのですが、今後の事を考えて後見契約を結ぶ予定です。
身元保証、いろいろな団体が居ますが何故、大手が取り組まないのでしょうか?
それは余りにも保証する側(業者)のリスクが高いからです。
保証業務をして居て思うのですが、実に怪しいとか信じられないとか言われる事は結構有ります。
でも本当に大変なのは保証して居る側が、もの凄く危険だという事です。
いかに親しいヘルパーさんでも、仲の良い友達でもどうしようも無い事を、なんとかしようと言うのが保証業務だと考えて居ます。
本当は、後見契約とセットで契約するべきです。
後見人はその人の身内に成る訳です。
後見人に求められることも財産管理がメインで、身上監護に関してはあまり語られる事は有りません。
病気の人の身上監護を語る時、身元保証は切れない問題に成ります。
弁護士事務所や、司法書士事務所では利益相反になるから保証人は出来ませんと言います。
昔明石のお金持ちの葬儀を直葬で済ませた弁護士さんは、どんな立場でお葬儀をしたのでしょうか。
つまり身元保証とは、それだけややこしく大変な業務だという事です。リスクは受ける側に有ります。
その事は理解しておいて貰いたいと思います。