【直葬】は葬儀でしょうか?
2017/04/14
とある行政機関と直葬について意見が違った事が有りました。詳しい経緯は割愛しますが生活保護や、行路死亡で火葬のみする事が有りますが、私はそれは葬儀では無いと考えます。
直葬、最近よく使われますが実際増えて来ていますが私は「直葬と言うのは葬儀では無い」と考えます。
今行われているのは【直葬】では無く,【直送】です。
実際に病院の霊安室にお迎えに行き、翌日火葬場で、おちあいそのまま炉に納めた事も有ります。
市営住宅で独居で亡くなり、生活保護で身内が引き取り拒否、この場合は管轄の保護課から依頼を受けて、お迎えの後、こちらでお預りして書類が整い次第火葬します。
神戸市の場合、遺骨は5年間舞子墓園に保管されますが、後に合祀に成ります。
一般的に葬儀とは
- 悲嘆の処理
- 遺体の処理
- 霊的処理
- 社会的立場の処理
- その他の感情の処理
が行われての葬儀と考えます。
独居で、悲しむ人が居なければ悲嘆の処理、その他の感情の処理は関係ありません。
しかし、一人でも悲しむ人が居るのなら寄り添い、最後までお見送りをするのが葬儀だと思いますし、葬儀屋だと考えます。
霊的処理、これは話せば長くなるので止めておきますが現在ではお別れ会や生前葬、音楽葬など、送り方は様々で、宗教儀式によってと言う拘りは少し減った気がします。
忘れない事、思い続ける事それが一番の供養と考えますので形はどう在れ、例えば通夜は無くとも、故人を偲んで一晩くらい語り明かしても、又お棺に燃やせることが可能なものでお花や、手紙、写真や朱印帳、なんかを個人に持たせてお別れをするのも霊的処理と言えると考えます。これらの事はそんなに時間は掛かりませんし、手間も要りません。少なくともそれを行っての葬儀です。
病院から直接斎場へ、それは直葬では無く、直送です。
今の形を直葬、葬儀と認めたなら葬儀屋も要らなくなるし、アマゾンで棺を買って、クロネコで送ると、なんら変わらないと思います。その僅かな手間にとんでもない付加価値を付けた事が今の葬儀業界の衰退だと考えます。
これから葬儀の件数は今しばらくは増えるでしょう。しかし葬儀単価は、その飛んでもない付加価値が無くなってどんどん下がって行くと考えます。お寺さんが必要では無い葬儀が増えて来たのも、お布施の問題を、お寺さんが明確な答えが出せない事に有ると思います。普段は何も係らず、葬儀だけの付き合いでお布施が数十万、やはり、私なら離れます。
今の私の収入で、故人の為と言われてもお布施に納得が行くでしょうか。
それならばたとえ一晩でも、二晩でも構いません傍に居て、語るのも立派な葬儀だと思います。
直葬は、これからも増えると思います。直送に成らないように、その為の葬儀屋ですし、我々葬儀に携わる人間も出来るだけ【直送】は避けて行きたいと考えます。