家族葬なら自宅で
2020/06/28
親族4人6畳一間
ゆっくりと過ごす
少し前にお葬儀のご相談を受けていました、親子3人でお父様を見送ることに成ると思う。腎不全が末期で終末治療を勧められたが、入院が長かったので最後は家に連れて帰りたい、唯部屋が狭い事を気にしておられました。お棺が入ればどこでもお葬儀は出来ます。枕元にでも、お花を飾ればそれで祭壇は出来上がります。そんな風に息子さんと打ち合わせを済ませた翌朝、安心したかの様にお父様は旅立たれました。
寝台車でお迎えに上がり、自宅の介護ベットにお連れしました。枕飾りをします、これがそのまま式の経机に成り、後飾りにも使います。予算は厳しかったですが、1万円の供花を4基、1万円分の切り花、5千円分の花束を用意しました。お別れには充分かと思います。
当初、お寺さん無しのお別れ葬の予定でしたが、お母様(故人様の奥様)が形だけでもお寺さんを呼びたいとの事で宗派は問わないとの事だったので、当会監事をしています浄土真宗本願寺派僧侶、釋 一道がお勤めを賜りました。
費用は葬儀代金全て(火葬料金も含む)で税込み28万円、お布施は交渉の結果、通夜、葬儀式、繰り上げ式中初七日、炉前経、法名授与を含んで5万円にしてもらいました。
夕刻18時、通夜式が始まります式前に僧侶自らが、式説をします。焼香器をお盆に乗せて、途中回し焼香をします。式が終われば後は自宅です、ゆっくりと最後の晩を過ごしてもらえます。式当日、故人様の弟様夫婦が加わって5人、広くは無いですが、窮屈には感じませんでした。
この日も式説は僧侶自らがします。繰り上げ初七日を含めて40分くらいは掛かります、このタイミングで足を崩して大丈夫ですよ、そう言われると大分楽かと思います。式が終わって最後にお花を全てお棺に入れて差し上げました。顔が隠れる位に成って、悲しい気持ちも少し癒されます。式場が明るくなります。お花の力はすごいと思います。
斎場に上がって炉前のお勤めを頂きます。職員の厳かな対応の中、棺は静かに窯に収まります。身内だけです、特に料理も取らず、待合室でお待ちいただきました。2時間30分、夕方に成ったので少し早い夕ご飯と慰労を兼ねてお食事に行かれました。
早朝のお迎えから丸二日、省けるものは出来るだけ省いて、儀式として必要な事は全て執り行っての家族葬。立派な会館も、豪華な祭壇も、通夜の振る舞いも精進揚げの振る舞いも無いお身内さんだけのお葬儀。
家族葬、あるべき姿はこれで良いのではないのか、そう感じました。