身元保証、任意後見、立ち上がれ!お坊さん
2020/08/22
考えればみんながピンチ?!
お寺さん受難時代
相変わらず先行きが見えないコロナ騒動、昨日テレビで廃寺の解体をやって居ました。地方の山間の事ですが、神戸でもお寺さんの廃業の話はちょくちょく耳にします。息子さんには継がせない、代わりの人が居ない、事情はそれぞれですが事業と考えた時(本当は宜しく無いのでしょうが)採算は全く取れないのが現実かと思います。
お寺さんにとって大きな収益がお布施でした。法事、月命日、お葬儀、それまで当たり前の様に有ったものがコロナの影響で極端に減って居ます。盆参り、今年はどの宗派、どのお寺さんも数が減って居ます。お寺さんが月命日、法事で参ると言う事は神戸では殆どと言ってよいほど有りません。そんな中で大きな収益を上げて居たお葬儀、これもお葬儀ブローカーの台頭、併せてお寺さん・COMやお坊さん便(これも葬儀ブローカーが経営するお寺さんのブローカー)が出てきた事でお布施の相場は大きく変動しました。ブローカーの台頭はお布施の相場を変えただけで無く、葬儀式の形すら変えてしまいました。一般的に亡く成ってから先ず、枕経、通夜経、本葬が有って出棺勤行、炉前経、還骨初七日、ざっと宗派に依って違いは有りますが、これだけのお勤めが有ります。それを式の内容にも依りますが5.5万円、8.5万円、16万円と分けて有ります。これには戒名(信士、信女)も含まれて尚且つ戒名が要らない場合、2万円安く成ります。これもお葬儀屋さんと同じで登録したお寺さんが来ます。当然手数料は3割強引かれますので、実入りとしてはかなり厳しい数字かと思います。
実際に来たお寺さん、小さな火葬式と言うプランですが炉前経を火葬場に行くのでは無く式場で経を読んで終わります。火葬場で時間が取れないと言う問題も有りますが手間は省けます。浄土真宗の場合、重誓偈と言うお勤めに成りますがゆっくり読んでも5分は掛かりません。5万と8万と務める側がどうして読むお経の長さを変えたのでしょうか、宗教者の立場からすれば故人様は同じはずなんですが。
お葬儀屋さんも、お寺さんも葬儀に携わって居る業者さんは今、荒れて居ると思います。綺麗事では済まないのは解って居ますが、形を変えてしまったのは喪家では無く葬儀屋で有り、お寺さん自身だと思います。例えば駐車場を経営している、テナント経営をして居る、納骨堂を持っている,何らかの収益が有る場合未だ良いのでしょうが、純粋に檀家のお布施や寄付に頼って居る場合、かなり厳しいと推察します。知り合いの葬儀屋さんから聞いた話です、お寺さんがウーバーイーツを始めたところが有るそうな、あくまで聞いた話です、実際は確認はして居ませんが若し、檀家さんの目に触れたら檀家さんはどんな思いに成るでしょうか。
4,5年前提唱して誰も相手はしてくれませんでしたが、お寺さん、自らお葬儀をしませんか?葬儀屋さんに頼らず、お寺でお葬儀、少なくとも檀家さんだけでも自分のお寺でしませんか。身元保証をしませんか?もし檀家さんで独居で身内と縁が薄い様な方が居れば、身元保証をしてあげましょう、ついでに後見契約(頼んで来れると言う事は任意後見契約に成ります)もしてあげましょう、そんなに難しい問題では有りません。独居の高齢の方をお世話すると言う事は現代では、自ら動くと言うよりヘルパーさん、ケアマネとの関係に成ります。コミュニケーションが必要なのはむしろヘルパーさんやケアマネです。介護の事も少し勉強すれば出来る事はきっと有ります。万が一の時、お寺さんが自ら動いてくれると成ったら、檀家さん(浄土真宗は門徒さん)は大きな安心が得らるのではないでしょうか。ついでに、今お寺離れは深刻です。何もウチだけでは無く他所も同じです。
お葬儀に私達に声が掛かります、「元はうちは何宗だけど、今は付き合いは無い。宗派は問わない、とにかくお寺さんに参って欲しい。」これが今の宗教者と檀家(門徒)との距離感です。宗教は解らない、でもお葬儀にお寺さんが居ないと不安に思う。それで葬儀屋に紹介してもらったり、又はブローカーのお世話に成ったりします。
とにかくお参りをしましょう、それで精一杯のお勤めをしたなら、必ずと言って良いほど「良かったらあのお寺さんに、満中陰も来て欲しい。」と言われます。そうすれば何件かは新しいお付き合いは始まります。
お寺さんから檀家が離れると言う事はそれだけ旦那寺を持たない人が増えてると言う事です、それでいて日本人は真面目で優しい民族です。自分は良いからおふくろだけはとか、主人は花が好きだったとか自分より利他を愛する民族です。ご先祖様の事をちゃんとしたいと言う思いは必ず有ります。コストの問題も有りますが、要はお寺さんに求められるのはその辺の安心だと思います。
当会事務局長も、来年住職に成るべき頑張って居ます。本当は良く無いのかも解りませんが、お寺を持つことの意義は視点も含めて全く今までのお寺さんとは違うと思います。檀家を如何に集めるかより大事なのは檀家に何が出来るかです。広義な言い方ですが檀家だけでなく地域に何が出来るかだと思います。そう考えればやる事は山ほど有ります。お葬儀屋さんも含めて忙しく成るのに不況に成るこの業界、お寺さんが身元保証や任意後見契約をすれば檀家さんにとって終活の安心はかなり大きく成ります。頑張れ!お寺さん。無責任ですが市場は広がって居ます