神戸新聞にて墓じまいの記事を掲載いただきました。

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活動報告ブログ 終着点の見つけ方

神戸新聞にて墓じまいの記事を掲載いただきました。

2016/11/16

自分の代で、墓や仏壇を撤去したい。

終活サポートを掲げるNPO法人「和讃の会」(神戸市東灘区)の副代表、小泉一也さん(58)は最近、よくそんな相談を受ける。今、進めているのは、がんで闘病中の男性(77)=神戸市中央区=の「墓じまい」だ。

今年初め、小泉さんは男性から「亡くなった妻の位牌をつくってほしい」と頼まれた。そのうち、墓をどうするかという話になった。

男性は滋賀県の出身で、現地には両親が眠る墓がある。しかし、もう何年も行っていない。「高齢の姉に任せきりで申し訳ない」という思いがある。同居する娘に負担をかけたくないし、孫の男性とは疎遠になっていた。男性は小泉さんに相談した。

「墓を移せないか」

ただ男性には気掛かりがあった。墓地は地域で運営し、墓自体は姉の依頼で寺が管理していた。これまで、姉は寺にさまざまな形で寄付をしている。「檀家をやめるなら離檀料を払わなければならないのでは」言い出しにくい檀家に代わり、小泉さんが第三者の立場で話を進めることにした。

墓じまいをした後は、神戸に墓を建てることも男性は考えていたという。遺骨を寺に託し供養や管理をしてもらう「永代供養」の選択肢も漠然と頭にあった。小泉さんも永代供養には賛成だった。「ただ、永代供養といっても、たいていは個別に供養する期間が決まっていたり、10年や20年で契約更新をしなければならなかったりで、いずれ合祀になる」

男性の宗派は浄土宗だ。そこで、小泉さんは、浄土宗の総本山「知恩院」(京都市東山区)に遺骨を移すことを提案した。これまでも真言宗の墓じまいで高野山へ移したことがあった。

1人ずつ納めるのでなく、合祀のカタチにはなる。「それでも毎日、いろんなお坊さんがおつとめをして、誰かがお参りに来る。普通の寺とは、手を合わせる人数がちがう」と小泉さん。男性は「ぜひそうしたい」と賛同したという。

小泉さんは時々、神戸市北区の市立鵯越墓園を訪れる事がある。市が使用取消を告げる看板があちこちに立つ。使用料が支払われないためで、草が生え放題の墓もある。「ちゃんとお参りに来てもらっている墓と、そうでないお墓は一目瞭然。お墓を否定するわけじゃないけど、立派で誰も来ないお墓に入るより、毎日誰かが来てくれる所に合祀してもらう方が僕はいいと思う」

小泉さんによると、男性は来年の春までには墓じまいをするつもりという。具体的には、改葬の手続きをして、寺に魂抜きをしてもらう。その上で、遺骨を知恩院へ運ぶ。骨が土に還っている場合は、その土を骨壷に入れて持っていく。工事は半日もあれば終わるという。

墓じまいと新たな納骨の費用は合わせて数十万円かかる見込みだが、新たに墓をつくるよりは負担は少ない。

ご先祖が寂しい思いをすることも、ないはずだと思う。

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