後見契約、だれの為に

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後見契約、だれの為に

2020/05/17

5年程前の話です、依頼が有って施設入居の保証人になって欲しい、遠方の甥っ子からの依頼です。仮に広島としておきます、神戸に身寄りが居ないので後見人を立てて施設入居の話に成りましたが、後見人が施設入居の保証人は出来ないとの事で和讃の会に保証契約だけを依頼して来ました。体調のすぐれない息子さんと二人入居は叶いました。

数年たって突然の電話、息子さんが亡くなって居ました。詳しいことを聞いているかと甥っ子から電話が在りました。後見人の司法書士に確認を取ったところ本人の意向で身内に連絡を取ってほしくないと言われたそうです。本人に確認を取ったところそんな事は無い、ただ身内で葬儀はしたかった、と言いました。でも本人の意向は全く反映されません。それが成年後見契約です。選挙権も有りません。住んでいたマンションも売れていました。

成年後見と任意後見は全く別物です。私と話が出来て意思疎通も出来て、なんで成年後見契約が成立したかは私には知る由も有りません。1年かかりましたが後見契約は解約できました。和讃の会と任意後見契約を結び、お金の管理も自分で出来ます、落ち着いたころに今度は姪っ子から任意後見契約を解約したい、自分たちが面倒を見ると言い出しました。

本人はケアハウスに居ましたが、望んで広島のサ高住に行きました。私たちは出る幕も有りません。唯本人が財産が無かったら、姪っ子はそれでも広島に呼んだでしょうか。甥っ子はもう電話もかけてきません。姪っ子が任意後見人に成ったと聞きました。でも身内に危ない人が居るからと全く寄り付かないと嘆いてました。

89歳、元気です。それでもケアハウスの食事付きの生活から自炊はしんどいと思います。大好きなお風呂も毎日入れる大浴場から、今はガス代が勿体ないと毎日は入らないそうです。

何が幸せかは解りません、ひとそれぞれです。若しも本人が生活保護世帯だったら全く違った形に成ったでしょう。姪っ子はそれでも後見人に成ったでしょうか。

後見人は財産管理だけでは有りません、身上監護も大切な仕事です。

今、後見人を自分に付けようと考えておられる方、その判断が出来るという事は貴方には任意後見契約しか有りません。あなたが何かの理由で判断能力が落ちたと判断された時、初めて裁判所の許可を得て、後見契約が始まります、それが任意後見契約です。それまでは任意後見契約を巻いていても、財産管理は自分でしなければダメなんですよ。判断力は有るのですから。

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