終活 あなたに後見人は必要ですか
2022/06/11
後見人を付ける事の安心と恐ろしさ
成年後見と任意後見
終活と一言で言ってもすることは多いです。元気なうちにと断捨離をする方も居るでしょう。先の事を考えて施設やお葬儀、遺品整理について調べている方も居るでしょう。
全くの独居だからと、後見人や身元保証に関して、相談する事も有ると思います。
身元保証、一番多いのは病院、こちらも頼める友人や親せきが居る場合問題は有りませんが、施設等に入居となった場合、債務が発生した場合が問題です。入院に関しても、手術等の場合、立ち合いが必要だったりします。
過去に身元保証を請け負った方で司法書士が後見人と言う方が居ました。本人は全く認知は無いように見えましたが成年後見契約です。本人には障害を持った息子さんが居てその関係かどうか解りませんが、二人まとめて施設に受け入れてもらうのに必要?だったみたいです。息子さんが体調を崩し、入院、そのまま帰らぬ人に成りました。後見人から知らせが有って葬儀は後見人が近くの大手互助会に頼んだそうです。喪主一人に葬儀費用は90万、本人は怒って居ましたが、被後見人には何の権利も有りません。
後日解った事ですが、住んでいたマンションを売ってと頼んで居たそうです。相場1200万のマンション、480万円で売られていました。本人はまたまた怒って居ましたがそれも被後見人はどうしようも有りません。
後日気に成って謄本をあげてみれば1350万円の抵当権が設定されて売れて居ました、販売価格はもっと高かったのでしょう。
これは和讃の会が経験した事例ですが他にも数えられないほど事例は有ります。
○後見人の報酬、1年目20万、2年目別荘を売って40万、3年目自宅前の庭を売って120万の報酬
○被後見人の代理で損害賠償請求訴訟、本人の得た利益967万5千円、後見人の報酬801万円
○施設を勝手に変える、サービス計画書には何も書かれて居ないのに施設を変えようとした。
など、神戸だけでは無く全国でこのような問題は起こって居ます。マスコミも一切取り上げませんが、深刻な問題だと思います。現に後見契約の数は成年後見利用促進法の関係上、市町村申し立ては増えて居ますが、親族からの申し立ては確実に減って居ますその事が何より後見制度を物語っていると思います。
後見契約には大きく分けて成年後見(後見、保佐、補助)任意後見と有ります。将来が心配、と考えるなら任意後見契約しか有りません。すでに認知、もしくは障害を持っていると言う以外、私に後見人をと考えられるなら任意後見しか有りません。先ほどの被後見人さんは後見開始の審判の取り消しはスムーズに終わりました。何故なら被後見人は、しっかりとしていると言う事で介護認定も外されました。要支援にも当たらないほどしっかりしていました、どうしてこの人が介護認定3に成ったのか、世の中には不思議な事はいっぱい有ります。
終活の中で、大切な事のひとつ、後見人。将来自分がどうしたいか、財産が有る方はその財産をどうするのか、実は今すぐ考えなければならない事かも知れません。
財産だけでは無く、自身の死後は結局誰かに委ねなければならない訳です。その決定権は本人に有るはずです、それが一番に尊重されるべきです。どうしたいのか,どう在るべきかは本人の意思が一番です。後見契約は今後大切な終活の事柄に成って来ます。ご夫婦でも、片方が認知に成れば相方が財産を管理する事は出来ないのです。特に有価証券関係は厳しいと思います。
後見人、貴方には将来必要か、ならば任意後見で、後見人を付けて今決めて置かなければならない事はきっと有るはずです。施設でも金融機関でも、未だ後見人の地位は高いと思います、奥さんが旦那さんが、相手の財産を動かせない、後見人を付けなければ株も売却できないと言うのが現実です。そう考えると今やらなければならない事は少なくは無いでしょう。
和讃の会では、後見の杜さん、後見制度と家族の会さんと協力関係を結び後見制度の在り方を考えて行きたいと思っています。一番優先されるべきは本人の意思です、どんな最後を迎えたいのか、だれと迎えたいのか、優先されるべきは身上監護(看護)です、財産も相続も大切ですが人として最後を迎える事もとても大切です、葬儀も永代供養も、お墓の問題も仏壇の問題も、みんな同じ終活の問題です。今後も後見制度の問題を発信して行きたいと考えて居ます。